《排卵障害》
●卵胞発育障害:何らかの原因で卵が育たない状態です
高プロラクチン血症
プロラクチンとは乳腺刺激ホルモンで、本来は分娩後の授乳期間中に分泌が亢進されて、乳汁分泌を促す働きがあります。おっぱいをあげているときは生理がこないことが多いですよね。これは、おっぱいを出すためにプロラクチンが排卵を抑制していることも原因の一つです。子供を望む女性でプロラクチンの分泌が異常に亢進すると、月経が不順になったり、排卵が障害されて好ましくないのです。高プロラクチン血症は、向精神系の薬剤の服用や、まれに脳下垂体にできた腫瘍によって起こることがあります。プロラクチンの正常値は15ng/ml以下。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣の中に排卵できない未熟卵胞が沢山たまっている状態です。一つの卵胞が十分に育つことができず、排卵できない状態にあります。原因は不明ですが、PCOSの方では肥満や多毛の方というのも見られます。ホルモン検査ではLH(黄体化ホルモン)高値であり、アンドロゲンという男性ホルモンも高値の場合が多いです。
卵巣機能不全
卵巣からのホルモンの分泌が不十分であり卵胞が十分に発育できないことが、排卵できない原因の一つとされています。
●成熟卵胞の排卵障害:卵胞は育つけれど、排卵ができない状態です。
黄体化未破裂卵胞(LUF)
基礎体温やホルモン動向も正常月経周期に見られるパターンを示すが、超音波診断では卵胞が破裂しないまま黄体期へ移行するもの。
《卵管因子》
感染や内膜症などにより、卵管の通過性障害や周辺臓器との癒着が問題となります。
クラミジア感染・淋菌感染
子宮内膜症
形成不全・腫瘍など
《頚管因子》
排卵時にオリモノが増えないなど、精子が子宮頚管を通過する条件に問題がある場合があります。
解剖学的な異常(先天と後天)
頚管粘液の異常
精子−頚管粘液不適合
《その他》
子宮内膜症
子宮筋腫
子宮腺筋症
卵巣嚢腫
免疫素因(抗精子抗体、抗透明帯抗体、抗リン脂質抗体、HLA抗原など)
原因不明(10〜15%)
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